口腔機能向上加算の実務ノウハウ
口腔機能改善管理指導計画を作成する方法と記入例
口腔機能改善管理指導計画は、初回評価で見えた課題を、本人の生活目標と具体的なサービスへつなぐ書類です。専門職を中心に多職種で作成し、説明・同意と定期評価まで一連で管理します。
この記事について施設で検討・実践するための一般的なノウハウを解説しています。記事に記載した業務のすべてをReliOralが代行・支援するものではありません。
公開日
最終更新日
制度確認日
- 厚労省の別紙6-4を基準に必要項目を整理
- 課題・目標・実施内容を一続きにする
- 本人・家族への説明と同意、約3か月ごとの評価を記録
目次
計画書の役割
評価結果を並べるだけではなく、「どの課題に、何を、どの頻度で行い、いつ評価するか」を多職種で共有するための書類です。厚生労働省の別紙6-4には、口腔の健康状態、計画、実施記録などの欄があります。
出典:別紙6-4 口腔機能向上サービスに関する計画書
作成の順序
口腔機能改善管理指導計画は、初回評価から課題を整理し、目標、個別サービス、説明・同意、実施・評価へつながる順序で作成します。
- 初回評価口腔衛生、咀嚼、嚥下、食事、義歯などを確認します。
- 解決すべき課題評価結果を生活上の困りごとと結び付けます。
- 目標評価可能な状態や行動として、長期・短期の方向を定めます。
- サービス内容個別の清掃、指導、訓練、実施頻度、担当職種を具体化します。
- 説明・同意と共有本人・家族へ説明し、ケアマネジャー等へ共有します。
- 実施・評価実施記録を残し、約3か月ごとに評価して計画を見直します。
架空事例の記入例
以下は書き方を示すための架空事例です。実在する利用者の情報ではありません。
| 初回評価 | 義歯を使用。食後に食物残渣が見られ、本人から「硬い物が食べにくい」と発言あり。 |
|---|
| 課題 | 本人が無理なく清掃できる方法の習得と、咀嚼状態に合わせた個別訓練が必要。 |
|---|
| 短期目標 | 職員の声かけで、本人が決めた手順に沿って食後の口腔清掃を実施できる。 |
|---|
| サービス | 義歯清掃の個別指導、口腔清掃の実施確認、状態に応じた咀嚼訓練。担当・頻度を明記。 |
|---|
| 評価 | 清掃の実施状況、口腔内の変化、食事時の本人の訴えを確認し、継続・変更を判断。 |
|---|
避けたい曖昧な表現
計画書には、担当者や実施頻度、評価方法が分からない表現を避け、現場スタッフが同じ内容を実施できる具体性を持たせます。
| 曖昧な記載 | 具体化する視点 |
|---|
| 口腔状態を改善する | 何を、どの状態まで、いつ評価するか |
| 必要時に訓練 | 誰が、どの頻度・条件で行うか |
| 様子を見る | 観察項目、記録方法、見直し日 |
作成時の確認
計画書の完成前に、評価・課題・目標・サービス内容のつながりと、同意、情報共有、モニタリングの予定を確認します。
- 評価・課題・目標・サービス内容がつながっている
- 実施する職種と頻度が分かる
- 本人・家族への説明と同意を確認できる
- ケアプランや通所介護計画と矛盾がない
- 評価日と計画変更の履歴を追える
KNOW-HOW
計画書で利用者情報をつなげる記入例
評価で見つけた課題を、目標、実施内容、評価方法まで一続きにします。以下は説明用に作成した架空の利用者例です。
計画書で利用者情報をつなげる記入例
| 計画項目 | 利用者Aの架空例 | 前後のつながり |
| 評価で確認した課題 | 水分時のむせと舌の動かしにくさ | 食事場面の観察と本人の訴えを根拠にする |
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| 長期目標 | 安全に水分を取り、会話を楽しめる状態を保つ | 生活上の価値を示す |
|---|
| 短期目標 | 3か月後に水分時のむせの頻度を再評価できる | 評価可能な期間と状態にする |
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| 実施内容 | 口腔清掃、舌運動、姿勢と一口量の確認 | 課題に対応する個別内容を選ぶ |
|---|
| 頻度 | 利用日ごとに個別計画に沿って実施 | 算定回数と日常ケアを分けて記録する |
|---|
| 担当職種 | 歯科衛生士が評価、介護職員と情報共有 | 専門判断と日常観察の役割を分ける |
|---|
| 評価方法 | むせの状況、舌運動、本人の食べやすさを比較 | 開始時と同じ視点で確認する |
|---|
| 継続・変更判断 | 改善度と本人の希望を踏まえ、内容変更を検討 | 結果だけで自動継続しない |
この記入例は架空です。実際の計画は利用者ごとの評価、医学的な安全性、本人・家族の意向に基づいて作成します。
制度資料:別紙6-4 口腔機能向上サービスに関する計画書訪問通所サービス等の算定に関する留意事項通知
まとめ
計画書は、日々の実施と評価につながってこそ機能する
計画書を完成させること自体が目的になると、現場の記録や評価から離れてしまいます。ReliOralでは、課題・目標・実施内容・モニタリングが一続きになり、担当者が変わっても同じ方向で支援できる計画を作ることが大切だと考えています。
本記事は公開日時点の厚生労働省資料を基にした一般的な情報です。算定可否、届出、必要書類の取扱いはサービス種別や指定権者によって異なる場合があります。実際の算定前に、最新の告示・通知と所在地の指定権者へご確認ください。
参考資料
RELIORAL
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FAQ
口腔機能改善管理指導計画についてよくある質問
厚生労働省の様式をそのまま使う必要がありますか?
別紙6-4は様式例ですが、独自様式を使う場合も算定に必要な評価、課題、計画、実施記録などを確認できる内容にします。所在地の指定権者が示す取扱いも確認してください。
計画書は誰が作成しますか?
言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員が中心となり、介護職員、生活相談員などの多職種で共同して作成します。専門職だけで完結させず、日常の観察やケア内容を反映します。
計画はいつ見直しますか?
実施上の問題があれば随時修正し、口腔機能の状態はおおむね3か月ごとに評価します。評価結果を踏まえて、終了、継続、目標やサービス内容の変更を判断します。