口腔機能向上加算と口腔・栄養スクリーニング加算の使い分けを理解する方法

口腔・栄養スクリーニング加算は状態を確認してケアマネジャーへ情報提供する加算、口腔機能向上加算は対象者へ計画に基づく個別サービスを行う加算です。目的と実施内容が異なります。

この記事について施設で検討・実践するための一般的なノウハウを解説しています。記事に記載した業務のすべてをReliOralが代行・支援するものではありません。

利用者の飲水の様子を観察し口腔・栄養状態を確認している様子

この記事のポイント

  • スクリーニングは早期把握と情報提供
  • 口腔機能向上加算は個別計画・サービス・評価
  • 併算定可否は対象月と各要件を確認
目次

口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)と口腔機能向上加算を、毎月同時に算定できるわけではありません。

2つの加算の違い

口腔・栄養スクリーニング加算は状態の早期把握と情報提供、口腔機能向上加算は対象者への個別計画・サービス・評価を目的とします。

比較口腔・栄養スクリーニング加算口腔機能向上加算
目的口腔・栄養状態の早期把握と情報提供個別サービスによる口腔機能の向上・維持
対象利用開始時・利用中の利用者低下または低下のおそれがあり、必要と認められる利用者
内容スクリーニング、結果の説明・情報提供評価、計画、個別実施、記録、定期評価
通所介護の単位(Ⅰ)20単位、(Ⅱ)5単位/回(Ⅰ)150単位、(Ⅱ)160単位/回
頻度利用開始時・利用中6か月ごと原則3か月以内、月2回まで。評価により継続あり

出典:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

スクリーニング後の流れ

口腔スクリーニングで課題を把握した後は、結果を共有し、口腔機能向上サービス、歯科受診、日常ケアの見直しなど必要な対応へつなげます。

  1. 口腔状態を確認所定様式に沿って問題の有無を確認します。
  2. 結果を共有本人へ説明し、必要な情報をケアマネジャーへ提供します。
  3. 必要な対応を判断個別サービス、歯科受診、日常ケアの見直しを検討します。
  4. 対象者を評価口腔機能向上加算につなぐ場合は、別途、対象者要件とサービスの必要性を確認します。

必要な職種と書類

スクリーニングは事業所の従業者が実施できます。一方、口腔機能向上加算は、言語聴覚士・歯科衛生士・看護職員の配置と、多職種による計画、個別サービス、評価が必要です。書式もスクリーニング様式と口腔機能向上サービス計画書を使い分けます。

同じ月に算定できる場合

原則として、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)と口腔機能向上加算は、同じ月には算定できません。

ただし、スクリーニングの結果、口腔機能向上サービスが必要と判断され、その月からサービスを開始した場合は、開始月に限り両方を算定できます。

すでに口腔機能向上サービスを受けている利用者については、要件を満たすことで、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を6か月に1回を限度として算定できる場合があります。

算定区分や適用条件は利用者の状況によって異なるため、最新の告示・通知をご確認ください。

2つの加算の役割と支援につながる流れ

口腔・栄養スクリーニング加算は課題を把握して共有する入口、口腔機能向上加算は必要な利用者へ個別サービスを提供する段階です。

  1. 01
    口腔・栄養スクリーニング

    利用開始時や定期時に口腔・栄養状態を確認する

  2. 02
    課題の把握

    むせ、口腔清潔、食事量などの変化を整理する

  3. 03
    専門職による確認

    個別サービスと歯科・医療対応の必要性を分ける

  4. 04
    サービスの必要性判断

    状態、本人の意向、体制を踏まえて対象可否を決める

  5. 05
    計画・提供

    個別計画を作成し、説明・同意後にサービスを行う

  6. 06
    評価

    結果を確認し、継続・変更・終了を判断する

口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)と口腔機能向上加算は原則として同じ月に算定できません。ただし、スクリーニング結果から必要と判断され、その月にサービスを開始した場合は開始月に算定できる場合があります。すでにサービス実施中の場合は(Ⅱ)の要件を確認します。

制度資料:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準別紙5-1 口腔・栄養スクリーニング様式

まとめ

スクリーニングと個別支援を、目的の異なる取組として運用する

口腔・栄養スクリーニング加算は課題に気づいて連携する入口、口腔機能向上加算は対象者へ個別に計画・実施・評価を行う取組です。ReliOralでは、両者を同じ作業として扱わず、抽出後に必要な支援へつなぐ流れを作ることが大切だと考えています。

記事執筆者 ReliOral 富田

執筆富田株式会社ReliOral 代表/歯科衛生士

介護施設への訪問口腔ケアと、口腔機能向上加算の導入・運用支援に携わっています。厚生労働省の一次資料と現場での運用を踏まえ、施設担当者が実務で参照しやすい情報を発信しています。

本記事は公開日時点の厚生労働省資料を基にした一般的な情報です。算定可否、届出、必要書類の取扱いはサービス種別や指定権者によって異なる場合があります。実際の算定前に、最新の告示・通知と所在地の指定権者へご確認ください。

参考資料

2つの加算を混同しない運用を整えます

口腔・栄養スクリーニング加算と口腔機能向上加算について、対象者、実施内容、記録、算定時期の違いを整理し、施設内で迷いにくい確認手順を作ります。

口腔機能向上加算の導入・伴走支援を見る

口腔・栄養スクリーニング加算との違いについてよくある質問

2つの加算の一番大きな違いは何ですか?

口腔・栄養スクリーニング加算は状態の確認と情報提供を評価し、口腔機能向上加算は対象者への個別計画、サービス提供、記録、評価を評価する点が大きな違いです。

スクリーニングを行えば口腔機能向上加算を算定できますか?

スクリーニングは候補者を見つける入口です。口腔機能向上加算を算定するには、別途、対象者要件、専門職配置、個別計画、同意、サービス提供、記録・評価などを満たす必要があります。

口腔・栄養スクリーニング加算と口腔機能向上加算は、同じ月に算定できますか?

原則として、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)と口腔機能向上加算は、同じ月には算定できません。

ただし、スクリーニングの結果、口腔機能向上サービスが必要と判断され、その月からサービスを開始した場合は、開始月に限り両方を算定できます。

すでに口腔機能向上サービスを受けている利用者については、要件を満たすことで、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を6か月に1回を限度として算定できる場合があります。

算定区分や適用条件は利用者の状況によって異なるため、最新の告示・通知をご確認ください。

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